古伊万里：元禄享保期古印判蛸唐草青海波コンニャク印判四寸半深皿
この蛸唐草は印判？見込青海波の印判は印判らしいけど...蛸唐草の縁周り二重線をじっと見ると....印判ですその印判で描いた縁取り、その内側を筆で埋める技法、はみ出し気味のダミもあったり...味になってます最後の1客を発見 珍しい印判蛸唐草です。
見込に五弁花と二重圏線、印判の青海波、如意風の囲いデザインは手描き、縁周りに印判二重線描の蛸唐草、裏は手描きで二重線描唐草、高台二重圏線、裏銘、少し小振、深さがあり使い勝手が良いと思います。
元禄享保期前後の江戸時代にも印判はありました。当時は器に柔軟な膠の様な物を使い文様を描きました（または型紙による）かなりの技術を要し、また手間がかかりすぎた様です。数十年で使われなくなりました。効率を上げる為の技法のつもりでしたが...効率は上がらなかった様です。
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時代 江戸中期、元禄享保期、1700-1730年代前後
口径 13.3㎝（13.4）全高 3.7㎝見込に多少の凹凸有、目立たず座りに支障無見込に3㎜のクッツキ、使用による釉スレ多少高台に製作時の凹、クッツキ有、座りに支障無（薄い成形ですが釉薬がかかり丈夫です）紅縁に極小ムシクイ・凹凸、紅斑・紅散・呉須散多少極小灰振・釉切・呉須濃淡滲漏散多少
:::::::::::江戸初期に日本初の磁器が生産され伊万里と呼ばれました。(1610年代)江戸時代の伊万里全てを古伊万里と呼ぶことが多いです。(現在の佐賀県有田周辺で作られ伊万里港から出荷)
元禄享保期の伊万里は当時の高級品でした。殆どの日本人が伊万里の存在さえ知らなかった時代です。(当時の器は木製、漆器、陶器が主流、一握りの富裕層のみ使用)最盛期の伊万里は、後の時代の伊万里とはかなり違います。
江戸後期の伊万里について知っておきたい事
江戸幕府体制に陰りが現れ国が徐々に騒がしくなります。日本初の磁器生産を果たした伊万里の里、有田周辺では、文政期に、主な窯場が台風の大火におおわれ、大きな被害を受けました。伊万里陶工たちの一部は諸藩に散らばりました。技術の流失です。その後磁器生産が各地で始まります。
文政期の大火事で有田皿山周辺は焼け野原となりました。佐賀藩は、窮乏から生まれた近代化への改革を始め復興を遂げます。藩の援助もあり、伊万里も復興を果たしました。輸出の再開が始まり販路が広がります。藩に残った熟練工たちの技術を生かし、上手伊万里が多く生産されました。幕末期の銘品は意外に多いです。
九州陶磁文化館の柴田コレクション にも、追加寄贈された銘品が多くあります。最盛期伊万里の技術が、後世に受け継がれた確かな証とし、柴田氏から多数寄贈されました。
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